小説家になろうで面白かった10作品を記憶を頼りに紹介する
twitterに投稿したやつの補足。
かなり前に読んだものもあるのでわけわからんこと書いてたらごめんなさい。
小説家になろう版
— しお (@ShioSouce) 2017年4月14日
無職転生
刃金の翼
火刑戦旗を掲げよ!
異世界から帰ったら江戸なのである
リーングラードの学び舎より
小さな魔女と野良犬騎士
かみがみ
ラピスの心臓
用務員さんは勇者じゃありませんので
異形の魔道士
#自分の人生においてトップ10に入る小説をあげてけ
個人的にタイトルで損してると思う作品No.1。神様異世界転生ものを読み慣れた人にこそおすすめしたい。
導入からしばらくはよくある異世界転生の流れで、主人公を転生させた神様が物語に絡みだしてからが本番。「テンプレである」ことを逆手にとった見事なストーリーが展開される。
特に主人公の日記にまつわる一連の流れは必見。賛否両論かもしれんけど。
丁寧に話が進むのに展開が多彩で中だるみしないから、どんどん読み進められる。
主人公は強いけど最強クラスってわけでもないし、精神面で容赦なくへこまされることも少なくない。いわゆる鬱展開もあるけど、読んでてストレスになる類じゃないので話を面白くする要素としてかなりうまく働いてると思う。
サブキャラや設定がしっかりしてる一方で、「書きすぎない」って技術が卓越してる、文句なく名作といえる作品。
完結済み。番外編、世界観を共有する作品も投稿されてる。
◆刃金の翼
呪いを受けて能力を失ってる(けど強い)、過去の出来事から(精神的な理由で)抜けない剣を持ってる、なんて厨二心を刺激されまくる主人公。
なんだけど、全体的にすごく落ち着いた作風で、しっかりしたつくりになってる。主人公も変に悟ってるわけでもなく、地に足ついた落ち着きっぷり。
前述の主人公を含む4人を中心とした群像劇ともいえる。
冒頭からヒロインが明確になっていて、そこをひとつの軸にして物語がすすむ。主人公は開始時点ですでにいろんな経験を経てがっちり人間が出来上がってるんだけど、新しい関係を得ることで少しずつそれが変化していく。
同時に過去の出来事が明かされたり、それにまつわる人物が登場したり、と事実の公開の仕方がうまい。
キャラクターの過去と今起こっている事件が絡み合って進行する、骨太な作品。
完結済み。番外編あり。……ソーニャルートだと思ったのになあ。
これまた骨太な作品。転生ものではあるんだけど、異なる世界からの転生じゃなくて、舞台になってる世界で偉業を為し、非業の死を遂げた人物が転生する。戦記。
そんなわけで主人公はとても優秀な子供として頭角を現していく一方で、ノリは堅い。メタ要素がないからね。軽い一人称は食傷気味って人はぜひ。
戦闘力より、知性とカリスマに集う仲間たちを武器にしてのし上がっていく展開。
この仲間たちが一癖も二癖もある連中で、年齢層もばらばら。これを見事に書き上げてるってだけでも高い筆力がうかがえる。
淡々と進むのに燃える展開はしっかりあるし、まったくダレない。読み応えたっぷり。
完結済み。
見かけは子供、中身はジジイ。マジでジジイ。
現代社会から異世界に行った過去を持つ主人公が、江戸時代で生きる様を描く短編連作。
ゲテモノに見えるあらすじだけど、作者に江戸時代に関する相当な知識量があるようで、物語の展開と豊富な知識が合わさってかなり面白い。
かといって歴史の匂いぷんぷんというわけでもなく、コミカルさとキャラの魅力が絶妙にミックスされてて、知識に頼り切ってないというのがすごいところ。
異世界にいたころの話をやったり別ルートやったりと怪しいときもあったけど、基本スタンスは変わらずで安心して読める。
打ち切りくさい完結したと思いきや二部開始。
新設された学校で問題児ばかりがいるクラスを受け持つことになった教師が主人公。
主人公のキャラがよくできてる。かなり過酷な戦場を戦い抜いた過去を持ってるんだけど、それを公にしたいとは思ってないってスタンス。
いい先生でありたいと努力を尽くす一方で、英雄だったころのしがらみもあって、てな感じ。生徒のために一生懸命心を砕き、戦闘になれば大暴れ。
未だ明らかになってない過去も。
設定だけ見れば尖ったところはないんだけど、それでも楽しく読めるのは上手なみせ方とキャラの魅力のおかげ。ここがしっかりしてる以上、多少中だるみがあっても面白さは揺るがない。
スローテンポで連載中。
実力はあるけど怠け者の元騎士と、しっかりものの小さな魔女の女の子のでこぼこコンビが主人公。
目を見張る展開もぶっ飛んだ設定もない。でも面白い。安定した筆力と丁寧なつくりのなせる業。豊富なキャラと人情ドラマで魅せてくれる。
きれいにまとまった作品。
ミュウちゃん好きだ。
完結済みだったんだけど3年の時を経て続編連載中。見つけたときはびっくりした。
そっちは完結を楽しみに待ってから読む予定。
最弱の魔物であるコボルトと力のない女神のコンビがなんとかかんとかして勇者を倒していく、結構な変り種。
奇特な設定に頼ってるわけじゃなくて、手に汗握る展開とがっしりした作り込みで読み応えがかなりある。すげー泥臭い知能戦が魅力。
Arcadia掲載時代に楽しく読んでて、エタったと諦めてしばらく経ってからなろうで連載中なのを発見して狂喜乱舞した。
特にまとめて読みたい作品なので、量がたまるまで待ってる。そんなわけで記憶が相当おぼろげ。
ゆっくり連載中。
常人離れした動体視力と顔半分のやけど跡を持つ主人公。これまた常人離れした実力を持つ人物に化け物が跋扈する山奥で育てられたので、戦闘力は高くても世間知らず。
山を下りて入軍試験でその力を振るうわけだけど、世の中の複雑さに翻弄される。
強い部分と弱い部分がうまく書き分けられているので、単なる最強主人公ものの枠に収まらない作品。
遅筆気味で、現在事実上の更新停止状態。再起待ち。
現代の学園から集団転移。全員がなにかしらの能力を与えられたのに、主人公だけはその力をかすめ取られた。基本人間不信でシビアな価値観を持つ、あくの強い主人公が見どころ。
アンチものの要素がありながらも、それがひとりよがりになっていない。持たざる者が必死に生き抜いていくきつい展開ばかりなのに、読んでて苦痛にならないってのはすごい。
登場人物の数が多いけど、どのキャラも生き方や価値観がきっちり描き込まれてるから、読み応えは相当なもの。
連載中。
SF世界の住人である主人公がファンタジー世界に転移して銃をぶっ放す話。
突然現れて文明をめちゃくちゃにした化け物に対抗するためにパワードスーツが開発されて、主人公はそれを装着して戦うために作り出された人造兵士。
設定がめちゃくちゃ作り込まれてて、ただでさえどっしりした話をより強固なものにしている。
孤独な長期任務に従事するために脳味噌の中に戦闘管制を担当する独立したAIがいるとか、作られた存在の悲哀と苦悩とか、燃えるメカニックとか、SF的魅力が溢れてる。
ファンタジー世界で化学の力を振るうだけじゃ収まらず、現地人から恐れられたり追われたり、息つく暇もない展開が続く。
元いた世界と転移先の世界の価値観とか世界観の違いが明確に描かれていて、しかも物語の中核を担ってるって点で、転移ものであることの特性をこれでもかと生かしてくる。
ひとつ間違えれば最低ものになりそうな要素をハイレベルにまとめ上げて、クソシリアスで重厚な物語に昇華させている完成度の高い作品。
きっちり完結済み。